海外展開する上でアフリカ市場は狙い目か

日本ではほとんど知られていない

日本で海外展開といえば主に中国やらインドやらシンガポールなどその辺りばかりが注目されていてアフリカ市場というのはほとんど知名度がない。

だが、アフリカは日系企業にとっては有利な戦場である。

民族性が比較的近い

何故なら、アフリカ人と日本人は民族性が比較的近いからである。

例えば、日本人は儒教の影響から年功序列の価値観が強いがこれはアフリカでも同じである。

他にも、欧米人などは徹底的合理性を追求した経営スタイルに走るが、日本人は合理性よりも「情」等を重視するため経営的な合理性よりも自分の仲の良い経営者に発注するという様な事をよく行う。
だが、これはアフリカ人も同じであり、「営業スタイル」という観点から言えば欧米式よりは日本式に近いものがある。

海外展開における最大の壁は価値観の差

ほとんどのケースにおいて海外展開の最大の問題点は「あまりにも違いすぎる価値観の壁」に衝突した時にそれに対処出来る人間がほとんどいないという事である。

だが、その点アフリカは最初から民族性的な傾向が日本人と近いものがあるため価値観の違いから来るトラブルに発展しにくいというメリットがある

ニッチ市場だらけ

加えて、アフリカはニッチ市場だらけで他社との差別化を図るのが容易という特性がある。

何故なら、アフリカは巨大な大陸だ。
その上経済的・政治的、様々な面において未発達である事から高速交通網の整備がまるで進んでいない

すると、これが海岸部であれば海上輸送でまだどうにかなるが、内陸地では輸送手段が乏しい上に輸送コストがあまりにも高く付き過ぎる事から「輸入」という概念が乏しく、多くの物資を内製しているのである。

もっと言えば、政府が金が無さ過ぎるせいで公務員にも満足に給料を払えていないため、警察官が輸入品に対して賄賂を要求してくる事が珍しくない
彼らもあまりの薄給からそうでもしなければ生活出来ないのだ。

ゆえに、下手をすると発注品の納期が遅れるどころかそもそも届かないことすらあり得る。

すると、必然的に必要な物資は輸入するのでは無く現地生産しようとするようになる事からニッチ市場ばかりになる。

ただし、経営コストは安くない

アフリカというと後進国であることから人件費が安くて固定費がかからないという間違った先入観を持っている人達が多いようだが、アフリカの経営コストは決して安くない

何故なら、確かに人件費が安いのは間違いない。
だが、アフリカは教育面でも未発達である事からアフリカ人の平均能力は日本人の平均能力よりずっと低く、仕事ミスによる損失が大きく膨らむことから結果的に人件費の安さは相殺されるのだ。

加えて、先程も述べた通りアフリカは交通事情がかなり壊滅的だ。
だから、これが日本であれば経営に必要な何らかの物資を発注してから遅くても2週間、早ければ即日届くなんて言うのは日本では当たり前だ。

だから、日本ではトヨタ方式の様な「不要で過剰な在庫は極力持たない」という経営スタイルが流行る

しかし、アフリカの場合そうではない。
アフリカは交通網が整備されていないから何を輸送するにしてもとてつもなく時間がかかる。
だから、何かを発注してから実際に届くまでに3ヶ月もかかる等という事は極当たり前にある

すると、アフリカで経営を維持するためには「全くの無補給でも6ヶ月は経営を維持できるだけの在庫」を抱えなければ経営が成り立たないのである。
必然的に日本のトヨタ方式に比べると無駄が多くなり、倉庫とその土地の維持コストが膨れ上がる

近いが同じではない

また、民族性的な価値観が比較的近いとは言ったが、かといって全く同じというわけでもない。
当然だが日本人とは異なる価値観は幾つもある

例えば、日本人は「紙」や「記録」というものが大好きだ。
日本人は何でもかんでも記録に残そうとする。
例えば、経理で言えば必ず貸借対照表なんかを書くだろう。

だが、アフリカの場合そうではない。
アフリカ人は「暗記」という文化が強く、ありとあらゆる情報は記録に残さず全て暗記しようとする。

だから、アフリカに行って「発注書や納品書を紙でくれ」なんて言ったら相手は困惑するだろう。

確かにアフリカ人と日本人は比較的近い民族性を持ってはいるが、それでも乗り越えなければならない価値観の差は幾らかある。

政治情勢が不安定

また、もう一つのアフリカ市場の懸念点は政治情勢が不安定でピンきりピンきり戦争をしているという事だ。

だが、面白い事にアフリカは貧困国である事から軍人に対しても満足な給料を払えていない事が多く、そのため正規軍の訓練も不十分である上に士気も低いことから現地で適当な傭兵を雇えば撃退出来たりするくらい正規軍が弱い

時と場合によっては傭兵を雇い入れるという選択肢もあり得る。

政治情勢が不安定だからこそ有利な面も

アフリカ諸国はその貧困っぷりからIMF(国際通貨基金)による援助の対象となっている事が多い。

そのため、上手いこと現地法人と連携できればIMFによる資金援助を受けられる可能性もある。

また、面白い事にIMFもお役所組織であり、今年度は特定の国に対して幾ら資金を援助すると決めたらその予算を必ず使い切ろうとする。
だが、IMFも当然だがどんな企業にでも手当り次第金をばらまくという様な事はせずに当然だが事業計画を審査する。

だが、既に述べた通りアフリカは教育水準が非常に低いから、まともな事業計画書を書ける人間はほとんどいない。
すると、IMFとしてはそのお役所体質から予算を消費したいのに消費先が無いから必至で消費先を探すという現象が起きる

つまり、アフリカでIMFからの資金援助を受けるハードルはとてつもなく低いのだ。

総評して概ね良

これらを総評してアフリカ市場は日本企業の海外展開先としては概ね良好だと言える。

幾つか気をつけるべき点は存在するが、市場としてはそこまで悪くない。

海外展開を狙っている企業は候補の1つとして検討しても良いだろう。



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